TOEFLテストの種類の違いと難易度をまとめ!iBT、ITP、TOEICのレベルを比較すると・・
アカデミックな英語力の測定に利用されるTOEFL。
非ネイティブの人間が英語圏の大学に留学するときに、英語力判定として用いられることが多いテストですよね。
一言でTOEFLといっても、いざ受験してみようと思うと、いくつもの種類があることに気が付きます。
具体的には、
- iBT
- ITP
- PBT
- CBT
の4種類があります。
さらに、最近始まった「改訂版TOEFLペーパー版テスト」というものもあります。
このうち、PBTとCBTは、すでに廃止されていますのでほぼ気にする必要はありません。
この記事では、iBT、IPTを中心に
- 各テストの概要
- 試験内容、難易度(レベル)の違いの比較
- どのテストを受験すべきか
などを見ていきます。
Contents
TOEFL iBTテストとは?
iBTは、internet-based testのことで、インターネットに接続された環境で受験するテストになります。
現在、単純にTOEFLというとiBTのことを意味する場合が多いです。
2006年あたりから採用された試験形式であり、TOEFL受験者の98%はiBTを受験しています。
iBTの目的と特徴
学術的な英語運用能力を測定する試験になっています。
英語圏の大学や大学院に留学するなら、多くの場合iBTスコアを提出する必要があります。
(留学に必要なスコアは大学によって異なります。)
アジアでだけでなく、世界中の国々で実施されているのも特徴ですね。
日本では、一部の大学では英語教育に導入されていることもあります。
また就職などではTOEICスコアが基準とされることが多いですが、TOEFLスコアも十分に評価されます。
特に、外資系企業や海外進出をしている企業に対しては、実用的な英語力の証明になるでしょう。
なお、TOEFL全般に関することですが、スコアの有効期限は2年間とされています。
iBTの試験内容(所要時間・出題形式)
テストは、
- リーディング(60~80分間)
- リスニング(60~90分間)
- スピーキング(20分間)
- ライティング(50分間)
の4つのセクションで構成されています。
全部で約4時間という長丁場の試験内容ですね。
(なお、リーディング、リスニングの後に10分間休憩があります)
リーディング・リスニングは、選択肢から回答を選ぶ形式で、メモを取ることが許可されています。
スピーキングのセクションは、設問に対する答えをマイクで録音する形式です。
(受験者はマイクが付いたヘッドホンを着用することになります。)
ライティングのセクションは、お題に対するエッセイを作成する形式で、キーボードでタイピングを行います。
各セクションの配点は、0点~30点となっており、合計120点満点で採点されます。
インターネット上での受験なので結果通知は非常に早く、10日以内が目安となっています。
iBTの申込方法、受験費用
試験会場
東京・横浜・大阪・福岡など全国各地の指定されたテストセンターになります。
試験実施日
テストは年間50回程度と、頻繁に行われています。
受験費用
世界中で行われるテストということもあり、米ドルで支払うことになります。
受験日の7日前までは235ドル(約24000円)。
受験日の4日前まで申し込むことも可能ですが、40ドル上乗せされてしまいます。
支払いは基本的にクレジットカードのネット決済になります。
(なお、費用は徐々に値上げされているようですので、最新情報はETSのTOEFL公式ページをご確認ください。)
申し込み方法
ETSの公式ページからのネット申込ができます。
(郵送でも申込可能とのことですが、申込期限が異なりますのでご注意ください。)
TOEFL ITPテストとは?
ITPは、Institutional Test Programのことで、団体のためのテストになります。
(個人単位で受験することができません。)
試験問題には、後述するPBTの過去問を再利用しています。
iBTとITP、TOEICの違い(比較)については、後述していますので、そちらもご参考ください。
ITPの目的や特徴
団体における受験者の英語力を評価するテストであるため、大学などの教育機関で使用されることが多く、クラス分けや大学院の入試で用いられます。
注意点としては、留学を考える人は、基本的に上述のiBTを受験することになります。
というのも、ITPは団体を対象にしたものであり、問題も過去問であるため、スコアが非公式なものとされているからです。
そのため、多くの場合、非公式なITPスコアではなく、公式のiBTスコアが利用されます。
ただ、TOEFLを主宰するETSは「ITPは、TOEFLテストと相関性の高いテスト」と位置付けています。
そのため、大学の交換留学や企業の海外勤務などでは、ITPスコアが基準にされることもあります。
ITPの試験内容(所要時間・出題形式)
テストは、
- リスニング(35分間)
- 文法(25分間)
- リーディング(55分間)
で構成されています。
試験時間は、全部合わせても2時間以内で、マークシート方式です。
iBTと同様に学術的な英文が多いので、慣れていないとかなり難しいでしょう。
配点は、リスニング31~68点、文法31~68点、リーディング31~67点となっています。
(各セクションでの合計)×10/3が最終的なスコアとして算出されます。
なお、ITPには、レベル1とレベル2という2つの難易度があり、上の説明はレベル1についてのものです。
レベル2は、レベル1に比べて問題の量を減らした簡易なものになります。
iBTの申込方法、費用など
試験の開催日、開催場所
団体で申し込むため、団体によって指定されます。
受験費用
4000円程度の場合が多いですが、団体によって異なります。
(団体の人数によって値段が変わるためです。)
スコアの通知も2週間以内が目安であり、比較的早い方です。
TOEFL PBTとは?
上述した通りPBTは既にほぼ廃止されていますが、軽く触れておきましょう。
PBTは、Paper-based-testの略で、その名の通りペーパーテストです。
試験内容は、リスニング、文法、リーディング、ライティングの4セクションで構成されています。
ペーパーテストのため、ライティングは文章を手書きする必要がありました。
TOEFL CBTとは?
こちらも既に廃止されていますが、CBTはComputer-based-testのことで、コンピュータで受験する形式です。
PBTと同様の、リスニング、文法、リーディング、ライティングの4つのセクションがあります。
コンピュータで受験するため、PBTと違い、ライティングはタイピングで回答します。
改訂版TOEFLペーパー版テスト
2017年より新しくペーパー版テストが追加になりました。
TOEFL公式ページによると、
今年より改訂版 TOEFL® ペーパー版テストが開始されます。これは新しい筆記試験で TOEFL iBT® テストにさらに密接に関連しています。2017年10月14日に初回テストが実施されました。
とのことです。
既に廃止されたPBTテストよりも、iBTとより密接に関連するようにデザインされているそうです。
試験内容は、
- リーディング(60分間)
- リスニング(60分間)
- ライティング(50分間)
の3セクションです。
iBTと比べると、スピーキング(発話セクション)が無いのが特徴ですね。
このテストは、iBTテストにアクセスできない人向けに用意されたものですので、基本的にはiBTを受験するのが推奨されています。
iBTとITPの違いを比較すると?難易度、レベルは違うの?
iBTもITPもどちらもアカデミックな英語の実用能力を測定するものです。
TOEICなどのビジネス向けの英語や受験英語だけを勉強してきた方にとって、難易度は非常に高いと感じることでしょう。
テスト構成の違い
どちらのテストでも、リーディングとリスニングのセクションがあります。
さらに、ITPでは文法セクションが追加されます。
一方、iBTでは、文法セクションが無く、代わりにスピーキングとライティングがありますね。
ETSによれば、ITPはiBTと相関性の高い信頼性のあるテストということですので、どちらが難しいということはないのかもしれません。
ですが、リーディングとリスニングに勉強が偏っている日本人にとって、スピーキングとライティングがあるiBTは特に難しく感じるのではないでしょうか。
ITPとiBT、どちらを受けるべき?
基本的には、ライティング・スピーキング能力を測定できるiBTテストを受けると良いでしょう。
また、上でも触れましたが、ITPスコアは非公式扱いになりますので、留学を考えている人は、公式のiBTが必要になります。
ただ、自分が所属する大学・会社などの組織にITPスコアでの留学制度がある場合は、ITPで勝負することもできます。
日本人が苦手とする発話セクションがないITPの方が攻略しやすいので、ITPを利用するのも良いかもしれませんね。
iBTは費用が高い
iBTは24000円と、費用が非常に高いですが、ITPは数千円で受験することができます。
「どれくらいのスコアが取れるのか腕試ししてみたい」という人は、自分の所属団体がITPを実施していれば積極的に利用すると良いでしょう。
ですが、留学を考えているなら、基本的には、iBTの勉強を通して総合的な英語力を鍛えていくべきですね。
TOEICとの違い
就職・転職・昇進などでも利用されるTOEICを受験したことがある方は多いと思いますが、それに比べてTOEFLはマイナーですよね。
そんなTOEFLとTOEICの難易度の違いについて考えてみましょう。
一言でいうと、TOEFLは、TOEICよりも格段に難しいとされています。
TOEICで好成績を修めている人でも、初めてTOEFLに触れると、難しいと感じることが多いですね。
単純に試験時間だけでも、4時間とかなりの集中力を必要とされる過酷な試験です。
リスニング、リーディングのみで構成されるTOEICは、「総合的なコミュニケーション能力を測るのは難しい」「英語力を測れないテスト」と言われることもあります。
実際にTOEICで900点くらい取れても、英語が話せないという人は結構います(実は私もそうでした・・・)。
それに比べると、TOEFLはライティング・スピーキングもあり、ネイティブレベルの表現力・実践力が問われます。
また、出題範囲が地学や心理学などアカデミックな内容にまで及ぶことも、難易度を押し上げている要因です。
英検やTOEICに換算すると?
英検やTOEICスコアをTOEFLスコアに換算すると、難易度の目安になるかもしれません。
一般的には、
- TOEIC900点以上だと、toefl ibtで100点以上
- TOEIC700点以上だと、toefl ibtで70点以上
- 英検1級だと、toefl ibtで100点以上
- 英検準一級だと、toefl ibtで80点以上
と言われることがあります。
各試験の点数換算表や換算式は、以下の記事に詳しく記載しています。
>>toefl itpのスコアとレベルの換算方法、スコアの見方・計算とは?
>>TOEFL IBTのスコアとレベルの目安!英検やTOEICに換算すると?
ただ、この換算はあくまでも1つの目安です。
実際には上で述べた理由により、TOEICで高得点を取れてもTOEFLには全然歯が立たないということもあり得るのです。
以上、TOEFLテストの各種類や、その難易度について説明しました。
ご参考になりましたら幸いです。