TOEICの得点分布と平均点(社会人・大学生)まとめ
今回は、TOEIC L&Rの得点分布や平均点を、データやグラフでご紹介していきたいと思います。
「就活で履歴書に書くために600点を目指す!」
「転職でアピールするために900点欲しい!」
「昇進や海外派遣の条件で730点が必要・・・」
など人によって目指すスコアがあると思います。
ですが、意外と周りがどれ位のスコアを取っているのか知らないものです。
ということで、toeicの点数分布を確認してみましょう。
Contents
全体の得点分布と平均点
平均点は約580点!
まずはじめに、TOEIC公開テストの全体での平均点(※1)ですが、
- 2014年:582点(リスニング320点、リーディング262点)
- 2015年:585点(リスニング321点、リーディング264点)
- 2016年:579点(リスニング317点、リーディング262点)
となっています。
つまり、平均点は約580点。
そのうち、リスニングが約320点、リーディングが約260点ですね。
リスニングはリーディングよりも50~60点ほど平均点が高い傾向にあります。
また、これらの平均点は毎年ほぼ同じで変動していないと言うことも分かりますね。
得点分布をグラフで見てみると・・・
以下のグラフは、第229回公開テストのスコア分布を示すグラフです。
なお、グラフの横軸はスコア区分、縦軸は人数です。
自分の過去のスコアや目指しているスコアが、どのあたりに位置するのか、確認してみましょう。
※データはこちらに基づいています。
www.iibc-global.org/toeic/official_data/lr/data_avelist/229.html#anchor01
リスニングセクションのスコア分布
平均スコア314.8 標準偏差82.9
リーディングセクションのスコア分布
平均スコア 261.1 標準偏差92.7
トータルのスコア分布
平均スコア575.8 標準偏差166.9
公開テストとIPテストの平均点の違い
TOEICには、公開テストのほかにIPテストがあります。
公開テストは、自分で個人的にテストに申込み、受験するものです(受験者数は毎年約90万人)
一方、IPテストは、企業や学校などの団体で受験するものです(受験者数は毎年約125万人)。
この2つのテストには、以下のように平均スコアに違いがあります。
- 公開テスト : 約580点(リスニング約320点、リーディング約260点)
- IPテスト : 約460点(リスニング約260点、リーディング約200点)
公開テストは、基本的に自分から進んで受験する人が多いので、英語に対する意識が高いです。
それに対し、IPテストでは団体の決まりで、仕方なく受けさせられた人もいるでしょう。
そのため、IPテストの方が平均が低いのではないかと考えられます。また、IPテストの方が日本人の英語力をより正確に反映しているのでは、という見方もあります。
社会人の平均スコア
社会人(企業・団体)のTOEICの平均点(※1)は、
- 公開テスト : 602点(リスニング328点、リーディング274点)
- IPテスト : 492点(リスニング275点、リーディング217点)
業種別の平均点
職業別のIPテストの平均点(※1)は以下のようになっています。
就職や転職を考えている方は、自分の目指す職種の平均スコアを参考に、目標スコアを決めてみるのも良いでしょう。
やはり海外部門は、海外に駐在したり、出張などで英語が必要になるので、必然的に高スコアです。
次いで、法務、広報、マーケティングが高スコアの職種ですね。
これらは、海外とのコミュニケーションが生じやすい職種と言えるでしょう。
新入社員の平均スコアは?
企業が新入社員を対象に行ったIPテストと、内定者を対象に行ったIPテストの平均点を見てみましょう。
- 新入社員 : 約500点(リスニング約270点、リーディング約230点)
- 内定者 : 約550点(リスニング約290点、リーディング約260点)
IPテストの全体の平均スコアが約460点であることを考えると、新入社員や内定者のスコアは平均よりも高めであることが分かりますね。
社会人のスコアは、入社して時間が経つにつれて下がる
内定者や新入社員のスコアは、全体の平均スコアよりも高めでした。
しかし、入社して時間が経つと、スコアがどんどん下がることが分かっています。
入社後の年数と平均スコア(※1)を見てみると、
- 入社2~5年目 : 511点(リスニング285点、リーディング226点)
- 入社6~10年目 : 486点(リスニング273点、リーディング213点)
- 入社11年目以上 : 464点(リスニング261点、リーディング203点)
就職活動などのために新入社員は英語を勉強していることが多いですが、入社後に実務で英語に触れる機会が少ないと、全く勉強しなくなる人も多いでしょう。
そのため、年が経つにつれて、英語力が落ちていると考えることができます。
ただし、役職別にみると、役職が高いほど平均スコアが高いということも分かっています。
役職と平均スコア(※1)の関係を見てみると、
- 一般社員 : 483点(リスニング270点、リーディング212点)
- 係長 : 482点(リスニング268点、リーディング214点)
- 課長 : 495点(リスニング274点、リーディング221点)
- 部長 : 514点(リスニング284点、リーディング229点)
- 役員 : 526点(リスニング292点、リーディング234点)
企業では昇進条件の一つにTOEICスコアが採用されていることも多いです。
多くの人は入社後に英語学習に消極的になるのに対し、役職に就く人は勉強を続けているということではないでしょうか。
大学生の平均スコア
続けて、大学生の平均スコア(※1)を見てみましょう。
- 公開テスト : 561点(リスニング307点、リーディング255点)
- IPテスト : 444点(リスニング251点、リーディング193点)
また、IPテストでは、
- 大学1年430点
- 大学2年435点
- 大学3年484点
- 大学4年513点
というように、学年が上がるにつれて点数が高くなる傾向があります。
TOEICスコアを1つの採用基準としている企業が多いため、就職を考えてTOEIC対策をする学生が多いということが伺えますね。
大学生にTOIECを受験する理由を聞くと、約62%の学生は「就職に有利だから」と答えたというデータもあります。
ちなみに、大学院、短大、高校のIPテストの平均スコア(※1)は、
- 大学院 : 516点(リスニング285点、リーディング231点)
- 短大 : 404点(リスニング245点、リーディング159点)
- 高校 : 415点(リスニング246点、リーディング169点)
となっています。
履歴書に書けるスコアは何点から?
大学生の就職では、TOEICスコアを履歴書に書くことも大切です。
スコアが高ければ、堂々と履歴書に書いて英語力をアピールすることができますが、あまり高くない場合は書かない方が良いこともあります。
低い点数を書いてしまうと、かえってマイナスイメージにもなりかねません。
一般的な日本の会社では、新卒の場合、
- 500点より高ければ書いてもOK、
- 600点以上なら書いた方が良い
と言われています。
なお、あなたの志望先で求められる英語力によって、目安の点数は変わってきます。海外部門や外資系の場合には、もっと高い点数が必要になる事もあります。
また、履歴書にスコアを書くのでしたら、こちらの記事も目を通しておきましょう。
⇒TOEICが有効期限切れ?2年後の履歴書の書き方【就活・転職する方へ】
女性の平均スコアは男性の1.3倍!?
2017年に行われたwebアンケート(※2)によると、男性の平均点が526点だったのに対して、女性の平均点は668点。
つまり、女性は男性の1.3倍のスコアだったそうです。
なぜ、女性の平均スコアが高いのでしょうか?
女性の方が言語でのコミュニケーション力が高いことや、女性の方が英語を使った仕事に就きたいと考える人が多いことが原因ではないか、と推測されています。
なお、語学学習の費用に関しては、男性の場合3903円/月に対して、女性の場合は2810円。
つまり、1月あたり男性は女性よりも1000円程多くのお金をかけているそうです。
国別(地域別)の平均点
以下は、世界各国の地域別の平均スコアです。
- ヨーロッパ : 708点(リスニング368点、リーディング340点)
- アフリカ : 661点(リスニング311点、リーディング350点)
- 北アメリカ : 610点(リスニング332点、リーディング278点)
- 南アメリカ : 582点(リスニング307点、リーディング275点)
- アジア : 575点(リスニング309点、リーディング266点)
(https://www.ets.org/s/toeic/pdf/2012_ww_data_report_unlweb.pdf)
やはりヨーロッパのスコアは高いです。ヨーロッパの言語は、英語と同じ系統の言語が多いので、習得しやすいのでしょう。
それに対して、アジアは最も平均スコアが低い地域となっています。
TOEICは世界中の40数か国で実施されていますが、その中でも平均スコアが高い国は、バングラディッシュ、インド、カナダ、ネパール、スイス、ポルトガル、ドイツ、スリランカ、レバノンなどです。
これらの国の平均スコアは750点を超えています。
一方、日本の平均点数は、約580点ということで、40数か国の開催国の中でも40位程度。。。
日本の英語力はかなり低いとも考えられます。
ですが、TOEICの受験者の大半は、日本人と韓国人で占められているという話もあります。
日本では英語が苦手な人も含めて大勢がTOEICを受験するのに対し、日本や韓国以外では比較的英語ができる人が受験しているため平均点が高いとも言われています。
まとめ
全体の平均点は、
- 公開テスト : 約580点(リスニング約320点、リーディング約260点)
- IPテスト : 約460点(リスニング約260点、リーディング約200点)
大学生の場合、
- 公開テスト : 561点(リスニング307点、リーディング255点)
- IPテスト : 444点(リスニング251点、リーディング193点)
社会人の場合、
- 公開テスト : 602点(リスニング328点、リーディング274点)
- IPテスト : 492点(リスニング275点、リーディング217点)
社会人の場合、仕事でどれだけ英語が必要になるのかによって、点数にかなり差があるようです。
また、TOEICは、ビジネスシーンでの英語力を測るものなので、ビジネスの経験が少ない学生は高スコアを取りにくいのかもしれません。
いずれにせよ、英語でのコミュニケーションスキルを習得して、着実にビジネスで生かせるようになると良いですね。
TOEICスコアの点数と難易度について、こちらもご参考ください。
⇒TOEIC600点の難易度とおすすめの参考書!600点レベルを短期間で目指す方へ!
⇒TOEIC900点の難易度はどれくらい?転職・就職で生かせるのか
(※1)TOEIC Program DATA & Aanalyses
http://www.iibc-global.org/library/default/toeic/official_data/pdf/DAA.pdf
(※2)http://sourcenext.co.jp/pressrelease_html/JS/2017/2017031602/