通勤中の英語の聞き流し、効果的な学習法とは?
英語を耳で聞き流すだけで、自然と英語力が見につくと謳っている英語教材はたくさんありますよね。
普段忙しい社会人が英語学習に取り組む場合、「通勤時間などの隙間時間をいかに活用できるか」というのも大切なポイントです。
聞き流し学習であれば、電車やバス、徒歩での移動中でも手軽に続けることができます。
そこで、この記事では、
- 英語の聞き流し学習は本当に効果的なのか?
- 効果のある学習方法と、効果のない学習方法
などについて詳しく紹介していきます。
耳で英語を覚えながら内容を習得するためには、いくつかのポイントを押さえた勉強が必要となります。
是非参考にして、英語力アップに役立ててください。
Contents
聞き流しで上達できるスキルとは?
英語と言っても、どの分野をスキルアップしたいのかによって、理想的な勉強方法は異なります。
例えば、英会話力をアップしたい時には、ただ一方的に流れてくる英語の聞き流しをしても、スキルアップにはつながりません。
しかし、流れてくる英語を聞き流すことでも、上手くやればヒアリング力を高めることはできるでしょう。
ヒアリング力というのは、英語で何を言っているのか、その言葉の一つ一つを聞き取る能力のことで、言葉が聞き取れれば文章の意味を理解することにもつながりますよね。
ヒアリング力が高くなれば「こんなフレーズを使っていたな」とか「こんな言葉を言っていたな」という細かい部分が分かるようになります。
今度は耳で聞いた言葉やフレーズをそのまま実際に使うことによって、スピーキング力の上達につながります。
聞き流し学習のメリット
通勤電車内で、本・スマホ(アプリ)・電子書籍を利用して英語を勉強しようという人もいると思います。
私も以前、東京に電車で通っていたのですが、都内の通勤電車の混み具合は異常です。
時間帯によっては、本やタブレット、スマホを取り出すこともできないぐらいギュウ詰めでした。
無理に本を読もうとすると、周りの人に迷惑が掛かったり、電車の揺れで酔ってしまったり・・・。
これに対して、耳からの音を使った学習スタイルでは、イヤホンを装着してしまえば、あとは場所を選びません。
満員電車の中だけでなく、乗り換えや歩いている最中でも、ずっと勉強し続けることができます。
うまく利用すれば、かなりの時間を効率的に活用することができるのです。
また、通勤は毎日のことですから、「無理せず続けられる習慣化」が簡単なことも大きなメリットと言えるでしょう。
聞き流し学習の効果は??
やり方を間違えるとほぼ時間の無駄に・・・
聞き流すだけでOKという英語教材はたくさんあります。
そこで、やはり
「どれぐらいの効果があるのか?」
というのが気になるところでしょう。
まず当然のことですが、何も考えずにBGMのように音が鳴っているだけでは効果はありません。
また、意識して耳を傾けていたとしても、聞き流しだけで英語力がアップするというのは、実際にはなかなか難しいものです。
特に英語学習の初心者のうちに、簡単そうだからという理由で取り組むと、ただの時間のムダになってしまうことも・・・。
(何もしないよりは、いいかもしれませんが)
聞くだけでは効果が得られない理由
理由1:聞くだけだと文法の理解が不足しがち
だれでも子供の頃は、基本的に耳からのインプットのみで、母国語(第1言語)を習得しますよね。
そのため「赤ちゃんが言葉を覚えるのと同じように、沢山聞き続ければOK」みたいな話もあります。
ですが、それはあくまでも赤ちゃんの話。
大人が同じことができるわけがありません。
大人が外国語(第2言語)を勉強するときには、文法を理解することが必要であり近道です。
そのためには、耳にだけ頼るよりも、文章を目で読むことで理解が深まります。
理由2:理解できないものを聞くだけでは無意味
英文を聞いた時に、単語や文の構造を把握できない場合がありますよね。
机で学習する場合には、分からない部分を調べたり、読み返したりすることで理解を深めることができます。
ですが、聞き流しの場合、分からない部分は、文字通り流れていってしまい、それっきりです。
そのような音声を聞き続けたとしても、理解も深まらず記憶にも残らず、極めて非効率的でしょう。
意味が分からない音を聞き続けても効果は薄いのです。
とくに、学習に使用する音声素材が難しすぎるなど、自分の英語力にあっていない場合は効果が得にくいので気を付けましょう。
耳から効率よく学習するためには精聴が大切
「 聞き流し学習」とはいうものの、本当に文字通り、聞き流してしまうと意味がないでしょう。
音声に意識を傾けることは絶対に必要です。
その意味では、「聞き流しのみ」で英語を習得するのは、幻想だと思った方が良いかもしれません。
ですが、テキストを(常に)使わなくても、音声を使うことで耳から効率よく勉強することは可能です。
ヒアリング力向上のためには、
- 内容や発音をしっかり確認しながら聞く精聴
- とにかく、たくさん英語に触れるための多聴
の両方を行った方が良いです。
聞き流しは、精聴ではなく多聴になりがちなので、注意が必要です。
特に、初心者の方は、まずは多聴よりも精聴(精読も合わせて行う)に重点を置いた方がスキルアップに繋がりやすいでしょう。
その上で、多聴を取り入れるのが良いのではないでしょうか。
聞き流し教材の上手な使い方
それでは、聞き流し学習を効果的にするためのポイントを考えてみましょう。
基本的な考え方は、既にお話しした「聞くだけでは効果が得られない理由」を潰せばOKということになります。
初心者の場合は精読・精聴・音読もあわせて行う
まず「聞くだけだと理解が不足しがち」というお話をしました。
そこで、初心者の場合は、聞き流しに使う教材の精読・精聴・音読もあわせて行うと良いでしょう。
具体的には、通勤で聞き流す前に、英文を読んで、単語や基本的な文法項目、文の構造などを掴んでおきます。
その上で、オーバーラッピングやシャドーイングなどの音読練習をしておきます。
「自分が発音できない音声は、聞き取れない」という意識が大切です。
そして、次の日に通勤時に音声を聞くという手順です。
このようにすれば、通勤時間が良い復習時間になるので、効率的に記憶に残すことができます。
また、通勤時間には耳で聞き流すだけでも、自宅に帰ったら何回も聞いて飽きかけているCDを、教材を見ながらもう一度聞いてみてください。
聞き流している時にはぼんやりとしか理解できなかった英単語やフレーズ、そして意味などが、教材を開くことによって理解できるようになるはずです。
そうすれば、翌日から耳で聞き流した時には、よりはっきりと意味が理解できるでしょうし、一つ一つの言葉や単語を聞き取れるようになるでしょう。
また、こうした英語教材の中には、映画やドラマから会話を一部抜粋しているものがあります。
その場合には、耳で聞くだけではなくドラマや映画を鑑賞することによって、シーンとして脳にインプットでき、より理解度が高くなるでしょう。
自分にあった教材を使うことも大切
また「理解できないものを聞くのは意味がない」ということもお話ししました。
ですので、音声を聞いてすぐに意味が取れないほど速い教材や、語彙が難しすぎる教材は避けた方が良いでしょう。
さらっと聞いてある程度意味が分かるような、自分のレベルにあったものを用いると良いです。
以上説明した方法ですと、通勤時間だけで英語の勉強を完結させることは難しいかもしれません。
ですが、本当に英語を習得したいと思うのであれば、何とか時間を作って頑張りましょう!
時間がない忙しい人は、事前にさらっと文を読んでおくだけでも、かなり効果が違ってくると思います。
慣れてきたらPodcast(ポッドキャスト)もいいかも
既にお話ししましたように、英語に慣れないうちは「聞く」だけでなく「読む」という行為とセットで勉強するのがオススメです。
そのために、きちんとしたスクリプトのあるCD付きの教材などを選びましょう。
ですが、ある程度英語が分かるようになってきたら、多聴を取り入れていくと英語力の向上が加速します。
多聴にはpodcastを利用するのも1つの方法です。
(ただ、スクリプトが無い場合が多いので初心者にはお勧めしません)
itunesでpodcastを見てみると、英語関連の無料コンテンツが山ほどあります。
いろいろなタイプのものがあるのですが、英語だけでなく日本語での説明を織り交ぜている番組が理解しやすくて聞きやすいです。
例えば、有名な「バイリンガルニュース(Bilingual News)」はおすすめです。
この番組は、マイケルとマミが気になったニュースの内容をディスカッションするものです。
まず、マミが日本語でニュースを読み、マイケルが同じニュースを英語で読みます。
次に2人がニュースの内容について話し合いますが、このとき基本的にはマミは日本語、マイケルは英語を使います。
適度に英語と日本語が混ざっているので、置いていかれることもありません。
なにより2人のキャラクターが人気なので、ある程度英語が分かるようになったら、楽しみながら聞いてみて下さい。
なお、有料ですが文字に起こしたテキストもあるそうです。
教科書的な英文ではなく、リアルな会話を聞きたい人にもおすすめですね。
まとめ
- 本当に「聞き流すだけ」では効果は得にくいが、音声を使った勉強はおすすめ。
- でも、最初は精読・ 精聴・音読に重点を置いた方が良い。
- 慣れてきたら沢山聞こう!
隙間時間の英語学習と言えば、スマホアプリを活用するのも良いですね。
おすすめのアプリをまとめていますので、こちらも利用して英語力アップをはかりましょう!
⇒【英会話アプリ】初心者におすすめ30選!英語のリスニングや英単語にも
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